PLCプログラミングの基本命令と実践例|ラダー図の読み方・書き方入門

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PLCプログラミングの基本命令と実践例|初心者向け入門

PLC(プログラマブルロジックコントローラ)は、工場の設備や装置を自動制御する脳のようなものです。プログラミング言語には国際規格IEC 61131-3で5種類が定められていますが、日本で最も広く使われているのはラダー図(LD)です。リレー回路の知識があれば比較的短期間で習得できます。

本記事では、初心者向けに「これだけ知っていればOK」な基本命令と、実際に簡単な制御を作るための実践例を解説します。

ラダー図の基本5記号

ラダー図は、左側の母線から右側の母線に向かって電流が流れるイメージでプログラムを記述します。以下の5つの記号が基本です。

  • a接点(−| |−):指定されたビットがONのとき電流が流れる。スイッチやセンサーの入力に使う。
  • b接点(−|/|−):指定されたビットがOFFのとき電流が流れる。非常停止など否定条件に使う。
  • コイル(−( )−):電流が流れると指定されたビットがONになる。出力や内部リレーに使う。
  • タイマ:設定時間経過後に接点が動作する。遅延動作やインターバルに使う。
  • カウンタ:設定回数のパルスをカウントすると接点が動作する。計数管理に使う。

代表的な回路パターン(実践例)

以下の3つの回路パターンは、PLCプログラミングの「基本のキ」です。これらの組み合わせで、ほとんどの制御が実現できます。

1. 自己保持回路

起動ボタンを押すと運転状態を保持し、停止ボタンか異常で解除する。モータ起動・停止の最も基本的な回路です。

2. インターロック回路

正転と逆転など、同時にONしてはいけない出力を排他制御する。不安全な動作を防止するために必須の回路です。

3. タイマ回路

起動から一定時間後に出力をONにする。ポンプの遅延起動などに使用します。

【重要】PLCメーカーの特徴と選び方

PLCメーカーによって、使える命令や開発環境が異なります。設計設備の費用や用途に合わせて検討してください。

三菱電機(MELSEC)— 国内シェアNo.1

  • 開発環境:GX Works2/GX Works3(Windows専用)
  • 価格帯:中規模までカバー。ランナーシリーズはコスパ良好。
  • 特徴:ラダー図が書きやすい。日本語ドキュメントが豊富。
  • 命令例:LD、AND、OUT、TIM、CNT
  • 無料体験版:あり(GX Works3は30日無料トライアルあり)

オムロン(Sysmac)— FA機器との親和性が高い

  • 開発環境:CX-Programmer / Sysmac Studio(Windows専用)
  • 価格帯:中〜大規模。シーケンサとサーボ・センサの連携が強い。
  • 特徴:IEC 61131-3準拠の構造化プログラミングが標準。
  • 命令例:LD、AND、OUT、TIM、CNT
  • 無料体験版:あり(Sysmac Studioは30日無料トライアルあり)

キーエンス(KVシリーズ)— 高機能・高速処理

  • 開発環境:KV Studio(Windows専用)
  • 価格帯:やや高め。ただし高速処理・豊富な機能を標準装備。
  • 特徴:高速処理と豊富な機能を標準装備。位置制御や通信機能が充実。プログラミングが比較的シンプル。
  • 命令例:LD、AND、OUT、TIM、CNT(三菱と互換性が高い)
  • 無料体験版:あり(KV Studioは無料ダウンロード可能)

シーメンス(SIMATIC)— 海外ではシェアNo.1

  • 開発環境:TIA Portal(Windows専用)
  • 価格帯:大規模・高価格帯。グローバル標準。
  • 特徴:ラダー図の他、STL(命令表)、FBD(機能ブロック図)も広く使われる。日本では普及中。
  • 命令例:A(AND)、O(OR)、=(OUT)、S(SET)、R(RESET)
  • 無料体験版:あり(TIA Portalは21日無料トライアルあり)

CODESYS — オープンソース

  • 開発環境:CODESYS Development System(Windows/Linux対応)
  • 価格帯:無料版あり。有料版は機能に応じて。
  • 特徴:オープンソースで柔軟性が高い。複数のハードウェアに対応。
  • 命令例:LD、AND、OUT、TON(タイマ)、CTU(カウンタ)
  • 無料体験版:あり(基本機能は無料で使用可能)

開発環境の違いと価格

PLCの開発環境はほとんどがWindows向けです。MacやLinuxでは動かないことが多いので注意してください。また、価格差があるため、設計設備の費用に合わせて検討してください。

  • GX Works3(三菱):評価版あり。ライセンス費は10万円程度から。
  • Sysmac Studio(オムロン):評価版あり。ライセンス費は15万円程度から。
  • KV Studio(キーエンス):無料ダウンロード可能。
  • TIA Portal(シーメンス):評価版あり。ライセンス費は20万円程度から。
  • CODESYS:無料版あり。有料版は5万円程度から。

なお、PCとPLCを接続してプログラムを転送するためのプログラミングケーブル(USB接続タイプなど)は Amazon で入手できます。

まとめ

PLCプログラミングの基本は以下の3つです。

  1. 基本5記号を覚える:a接点、b接点、コイル、タイマ、カウンタ
  2. 3つの回路パターンを習得する:自己保持、インターロック、タイマ
  3. メーカーの違いを理解する:命令名や開発環境が異なる

初心者は、まず三菱のGX Works3やオムロンのSysmac Studioの評価版、またはキーエンスの無料版から始めるのがおすすめです。設計設備の費用に合わせて、最適なメーカーを検討してください。

最初は「読む→真似る→書く」の3ステップで習得します。まずは自己保持回路とタイマ回路のサンプルプログラムを実際に動かしてみましょう。


出典・参考

  • 「PLCラダー図とは|基本5記号・書き方・主要3メーカー比較」, RoboIn FA
  • 「三菱シーケンサの命令一覧」, Control Career
  • IEC 61131-3 国際規格

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